@ 最高級リゾートホテル「グランド・マヤン」  
     
A 想像を絶する造形芸術「プール」  
     
B 寒いビーチと悲惨なシュノーケルツアー  
     
  C レストラン  
     
  D シカレの魅力  
     
  E シカレ・ナイト  
     
◇ その他、一般情報  
     
  注:日本円については、メキシコ旅行した2009年2月上旬の為替レートにて換算 
  1アメリカドル=90円、1メキシコペソ=6.2円
 
     
@ 最高級リゾートホテル「グランド・マヤン」
   メキシコ最大のリゾート「カンクン」から南へ車で走るとカリブ海に沿って延々とジャングルが続く。郊外のハイウエーとビーチに挟まれた広大なジャングルの中に高級リゾートが点在する。この地帯はリビエラ・マヤと呼ばれ、カンクンで遊び慣れた人達の間で人気上昇中という。カンクンの喧噪とは全く趣を異にした大人の隠れ家的ホテルが多い。

 私はカンクンとプラヤ・デル・カルメンの中間に位置する高級リゾート『ザ・グランド・マヤン・リビエラ・マヤ』に1週間(2009年1月31日〜2月7日)滞在し、大人のビーチリゾートを満喫してきた。正規宿泊代金(ルームチャージ)は1泊$500(税・サ込み約5万円)、インターネットの割引料金で1泊$300(税・サ込み約3万円)。1週間(7泊)滞在するとルームチャージだけで20万円を越える。実際に宿泊してみると施設・設備・サービスのグレードの高さに驚く。確かに高級リゾートホテルである。

 私は今回もリゾートクラブの世界的交換システムRCIを利用したので、払った代金は31500円(飲食代別)だけである。海外の高級リゾートに7泊もして宿泊代金が約3万円、驚異的安さ!RCI海外リゾート交換の威力は抜群である。詳しくは、私の著書『安くて豪華に旅する方法―リゾートクラブは宝の山―』参照。

 カンクン空港から小型の乗り合いバス(23ドル)に乗って約20分、ザ・グランド・マヤン(写真1)に到着。同じ敷地内にマヤン・パレスホテルがある。ザ・グランド・マヤンのゲートはまるで“要塞”である。ホテルの北側と南側はジャングルが広がり、ホテルの東側はカリブ海に面している。よって、正面ゲート(写真2)をくぐり抜けなければ誰もホテルの敷地内に入れない。ゲートでは24時間体制で守衛が厳重に訪問者のチェックをしている。よって、部外者の入る余地はない。安全が当たり前の日本人には違和感があるが、セキュリティーは抜群である。

 ゲートからホテルのフロントまで長い長い道が続く。歩くと15分くらいかかる。実は、道の両側に広大なゴルフ場が広がっているのである。道路を挟んで南側(写真3)に9ホール、北側(写真4)に9ホール、全18ホール、パー54の本格的ゴルフ場で、帝王ジャック・ニコラウスの設計という。

 ゴルフコースを抜けると大きな噴水で囲まれたロータリーになり、これを左折してフロント方面へ向かう。遠くに「ザ・グランド・マヤン」のフロント(写真5)が見えてきた。古代マヤの王宮に迷い込んだ不思議な雰囲気がする。カンクンの超近代的なホテルとは一線を画し、Very Good!

 やっと「ザ・グランド・マヤン」の玄関に到着。若いボーイに導かれて、古代マヤの王宮への狭い通路を抜け、大理石(?)でできた巨大なモニュメントがあるフロント(写真6)に行く。RCIメンバーカードとリゾート交換確認証(宿泊証明書)を見せてチェックインをする。フロントマンの仕事ぶりは極めて「ゆっくり、のんびり」である。単純なチェックインにもかかわらず随分時間がかかった。

 ここのリゾートの規模は想像を絶する。広大なゴルフ場を取り囲むように北側にマヤン・パレスの客室棟が21棟、南側にグレードアップしたグランド・マヤンの客室棟が13棟、合計34棟もある。とてつもなく大きなリゾートである。よって、グランド・マヤンのフロントから宿泊棟までは歩けば10分くらいかかる。電動カート(写真7)で私の客室棟まで送ってもらう。

 私の部屋はグランド・マヤン・ジャングルにある11棟の2階、2616号室。客室棟(写真8)の前には見事に手入れされたグリーンの芝と椰子の木、カラフルな花々が植えられている。遠く離れた異国の、見知らぬリゾートホテルの部屋に入る。この瞬間がたまらない。

 期待にワクワクしながらドアを開ける。部屋の中央にどーんとキングベッド(写真9)が置かれている。1人で寝るので、360度回転しても大丈夫。ベッド横の木の扉を開けると、何と大型ジャグジーバス(写真10)があり、ピカピカに磨かれた洗面台、シャワーブース、トイレと続く。ジャグジーは広くて大人2人が十分入れる。恋人どうし、夫婦どうしが一緒に入れるようになっている。私は1人で……。大型のソファーベッド(写真11)もあるので、この部屋の最大定員は大人2名、12才以下の子供2名、合計4名になっている。

 カーテンを開けると広いバルコニー(写真12)へと続く。ここで、飲食したり読書したりしてのんびり過ごせる。私の部屋はジャングルに面しているので、緑の森しか見えない。反対側の部屋はゴルフコースに面しているので眺めがいい。

 昼間、ガーデンプールやビーチで遊んで部屋に帰ってくると、ターンダウンサービス(写真13)がされている。フラットスクリーンのテレビは多チャンネルケーブル回線で24時間音楽が聴ける。クラシック音楽を聴きながら大型ジャグジーで一日の疲れを癒す。極楽、極楽! 風呂上がりはふかふかのバスローブに身を包み、バルコニーで火照った体を冷ます。夕陽(写真14)がリビエラ・マヤのジャングルの彼方に沈む。ザ・グランド・マヤンはどうやらずごくレベルの高いリゾートホテルのようである。
 
     
A 想像を絶する造形芸術「プール」
   朝早く起き、誰もいない早朝のプールエリアを散歩する。ザ・グランド・マヤンのフロントを通り抜けると、巨大パラパで囲まれたガーデンプール(写真15)に出る。巨大パラパの屋根がプールの水面に映り、古代マヤの王宮に紛れ込んだ雰囲気がする。このプールはグランド・マヤンの宿泊者専用で、プールサイドにはまるで王侯貴族のための屋根付きラウンジ・チェアー(写真16)まである。さらに、恋人たちが寝そべるベッド(写真17)もプールサイドにあり、カーテンを降ろせば密室になる。何とも粋なはからいである。王様・王女様専用のようなプールサイドベッドは誰でも無料で使える。早い者勝ちなので、朝食の前にタオルと本を置いておけばOK。これで、このベッドは一日中貴方達のものである。

 ガーデンプールのあちこちにスピーカーが隠されており、様々な音楽が聞こえてくる。オペラ、ミュージカル、クラッシック、メキシカン…。プールサイドのラウンジチェアーに寝そべってバックミュージックを聴いていると、本当に王様になった気になる。

 ガーデンプールから木や花に囲まれた小道を南へ少し歩くと驚くべき光景(写真18)に出くわす。プールとグランド・マヤンの客室棟が一体になっており、風も音もない早朝の静寂さが風景の美しさを際立たせている。プールとグランド・マヤンとの間には大きな池(写真19)があり、再び驚かされる。このプールには人工のビーチ(写真20)も造ってあり、プールでありながら、ビーチにいるような雰囲気を醸し出している。もちろん、白砂もまかれているので本当のビーチのようである。お見事!それにしても美しい。

 誰もいない早朝のプールを飽きることなく眺める。あまりにも美しい眺めなので、売店でコーヒー(30ペソ、約186円)とフルーツ・デニッシュ(40ペソ、約248円)(写真21)を買ってきて、ここでプチ朝食にする。この眺め(写真22)を独り占めにし、ラウンジ・チェアーに深々と座って、甘いデニッシュにかぶりつく。うまい。熱々のブラック・コーヒーとの相性は抜群。私にとって至福の時が流れる。

 ある朝、ここでのんびりしていたら、カナダ・トロントから来たクレアちゃん(写真23)ファミリーと親しくなった。お父さんの了解をもらって写真をとらせてもらった。

 プールはこれで終わりではない。ここまでは、グランド・マヤンのゲストオンリーエリアである。実は本命は次にある。グランド・マヤンのガーデンプールを抜けると大きな建物(写真24)があり、この建物の前からビーチに向かって広大なメイン・プールが広がる。

 メインプールはこの建物から、「段々畑が下方に広がっていくように」レイアウトされている。そして、1つ1つのプール(写真25)が巨大なので、プール全体の広さは想像を絶する。プールサイドには様々なモニュメントが造られ、単調になりがちなプールにアクセントをつけている。そして、この巨大なプールを多数の従業員が毎朝タワシで磨いたり、ゴミをすくったりして掃除している。よって、プールやプールサイドはいつも綺麗である。

 朝食の時間になってくると、プールサイドにも少しずつ人が増えてくる。あらかじめ、自分のお気に入りのチェアーの上にタオルと本を置いて場所取りする人も多い。何しろ早い者勝ちである。朝食の前にさっとタオルと小物を置くのがコツである。リゾートホテルのプールサイドは一種の社交場(写真26)となる。色々な国から暖かいカリブの海を求めてバカンスにやってくる。お客は圧倒的にカナダ人・アメリカ人が多い。北アメリカの寒い冬を逃れてカリブ諸国に来るのは合理的である。故郷はどんなに寒くて雪が多いか競って話をしている。

 メインプール入り口にある大蛇のモニュメント(写真27)がおもしろい。写真には写っていないが、大蛇が川をさかのぼっているように造られている。そして、その川(写真28)が実に美しい。この川、実はプールはグランド・マヤン専用エリアに続いている。100mは続いているだろうか?川の両側はグリーンの芝生にパームツリー、フェニックス、その他、カラフルな花や木が植えられ見事な景観をなしている。川のようなプールサイドで優雅にくつろぐ人々(写真29)も多い。どこを見ても絵になる風景が展開する。プールはまさに造形芸術である。私は今までに多くのリゾートホテルを泊まり歩いてきたが、私の経験から言えばグランド・マヤンのプールが規模・芸術性共に一番である。

 お昼近くになってくると太陽光線が強烈に降り注いでくる。若者の一団(写真30)がビーチのようなプールサイドで遊んでいる。プールサイドでは各種アクティビティ(写真31)も準備されており、ゲストが退屈しないように工夫されている。

 メインプールを見下ろす高台にある巨大な建物(写真32)、てっきりレストランだと思って入ってみた。バーカウンターのようなものもあるので、ラウンジかな?と思ったが……。実は、ここは「タイムシェア・リゾート会員権」の販売現場(写真33)であった。カンクンのホテルゾーンに泊まっているお客が団体でグランドマヤン、マヤンパレスのリゾート施設を見学に来る。送迎付き、朝食ビュッフェ付き無料見学会である。アメリカの住宅バブルが崩壊し、世界金融危機が勃発した後にもかかわらず、販売現場にはかなり熱気がある。アメリカ人の楽天さには全くあきれる。

 メインプールとビーチの間に「ブリオ・ヘルススパ・フィットネス・センター」(写真34)がある。入館料は1day passが300ペソ(1860円)7 day passが800ペソ(4960円)。私は何回もこのスパを利用した。私のスパの過ごし方は‥
まずはカリブ海を眺めながらスタジオでストレッチをし、体をほぐす。次に、自転車(写真35)に乗って、30分間ペダルをこぐ。そのうちじわっと汗が出てくる。この感覚がいい。次はマシンを使って筋肉トレーニング、しかし、あまり負荷をかけず、筋持久系の筋トレを心がける。最後に軽くストレッチをしてから露天ジャグジー(写真36)やサウナに入る。仕上げはバス・ローブに身を包んでリラクゼーション・エリア(写真37)でくつろぐ。冷たいドリンク(2種)を飲み、癒し系の音楽を聴きながら目を閉じると、ここはカリブの天国か?と思えるほど心地よい。

 このスパ・フィットネスセンターには軽食レストランもあり、カリブ海がよく見えるテラス席(写真38)もある。朝のトレーニングをして、ここで軽くヘルシー朝食にしてもいい。新鮮な果物や生野菜のジュース・サラダ等がおすすめである。

 何度もフィットネスクラブに通ったのでスタッフ(写真39)と親しくなった。フィットネスのトレーナーのマウリシオ(MAURICIO)は非常に勉強熱心で、ノート持参で、日本語を教えてくれと寄ってきた。レストランのウエイターのカルロス(CARLOS)、ウエイトレスのアナ(ANA)は自分の名前を日本語で書いてくれ、と言ってきた。

 スパハウスのフロント嬢からも自分の名前を日本語で書いてくれと頼まれた。その都度、私の名刺の裏に語呂合わせの漢字、カタカナ、平仮名の3種類で名前を書き名詞をあげた。そしたら、皆、非常に喜んでいた。メキシコ人は小柄で親しみが持てる。翌日、ANAは生絞りジュースをおまけしてくれ、フロント嬢は無料で私を入場させてくれた。もう僕たちはアミーゴ?(スペイン語で友達)愛すべきメキシコ人!

 夕闇迫るグランドマヤンのガーデンプール(写真40)は昼間とは全く別の顔をしている。青い光が水中を照らし幻想的なプール(写真41)が出現する。お客のいなくなったプールサイドをカメラを構えて1人散歩する。

 プールエリアだけでなく、ホテルの敷地内を警備員が24時間体制で巡回警備している。警備員だけでもかなりの人数になると思う。よって、ホテル内のセキュリティは万全である。逆に言えば、メキシコはそれだけ治安が悪いということである。特に、アメリカとの国境近くは麻薬密売にからむ内戦状態になり、アメリカ政府はメキシコへの渡航注意(2009年2月)を呼びかけている。

 世界金融危機・世界不況の最中、メキシコのリゾートホテルは閑古鳥が鳴いているのでは?と思ったが、結構お客が来ている。ファミリーも多い。グランド・マヤンはメキシコ国内に4カ所のリゾートホテルを展開しており、いずれも、同じ規模のプール、ゴルフコースを持っている。RCI加盟なので、全リゾート制覇も夢ではない。私はますますメキシカンリゾートが好きになった。
 
     
B 寒いビーチと悲惨なシュノーケルツアー
   カリブ海の夜明け(写真42)。天気は良いのであるが風が冷たい。長袖、長ズボンにトレーナーをはおってビーチに立つ。寒い日本の冬を脱出して、“暖かい”カリブ海まで来たのに少々期待外れである。天気予報によれば最高気温24℃、最低気温15℃、晴れ時々曇り。昨年の2月、カリブ海(コスメル)に来た時は、毎朝、Tシャツと短パンでビーチをジョギングできたのに残念である。北アメリカ東部に大寒波が居座っており、その影響がカリブ海まできているらしい。天気だけはどうしょうもない。

 今日は何も予定がないので、カメラを持って朝のビーチ(写真43)をのんびり散歩する。白い砂浜に緑の椰子の木、そして抜けるような青い空、カリブ海のビーチ(写真44)は夢を誘う。広くて長いビーチにはチェアー(写真45)が整然と並べられていて、ここに寝転がって、海を眺めながら(写真46)一日中過ごすことができる。

 太陽がギラギラ輝き出してくると人々はビーチ(写真47)に繰り出し、海(写真48)に入る人も増えてくる。私も日本から持参したウエットスーツを着て泳いでみる。それ程冷たくはない。ウエットスーツの効果は抜群である。しかし、波が高く海水の透明度はあまりない。おまけに魚影も少ない。これではビーチの魅力は半減してしまう。

 昼過ぎになるとボート(写真49)が午前中のダイビングを終えてビーチに帰ってくる。午後からは同じボートでシュノーケルツアーが出る。ある日の午後、私もシュノーケルツアーに参加した。グランド・マヤンのビーチから海の中を歩いて直接ボートに乗り込む。波があるので乗船するのに苦労する。結構ワイルドなツアーである。小さなボートなのでほぼ満員(写真50)。ツアー代金は45$。ごく当たり前のように米ドル表示されている。ボートは大きな波を乗り越えながら、リビエラ・マヤの海岸に現れた巨大リゾート(写真51)を横目に一路、南へ下る。

 リビエラ・マヤ沖に大きな珊瑚礁群があり、そこでシュノーケルを行うのである。30分くらいして最初のリーフ(写真52)に到着。太陽が輝き絶好のシュノーケル日和になってきた。
「よし、やるぞ!」
気合い十分。勢いよくドボンと海に飛び込む。
その瞬間、“死ぬか”と思った。
海水が冷た過ぎる。私はウエットスーツ(半袖・短パン・5o)着用であるが、それでも冷たい。寒さが全身にしみ込み熱が奪われていく。急いで足をバタバタ動かし運動する。少し寒さに慣れてきてからリーフと魚たちを鑑賞する。しかし、私は寒さに耐えきれず20分くらいで早々とボートに引き上げてしまった。

 バスタオルで体をしっかり拭いても寒い。ボートは2カ所でシュノーケルをし、帰路、誰もいない白砂のビーチ(写真53)に寄って休憩。しかし、体が濡れているので寒い。寒さに耐えているだけのビーチ休憩は苦痛以外の何者でもない。午後5時頃、やっとホテルに帰り、急いで熱いシャワーを浴びる。「やっと一息、救われた」
私にとっては実に悲惨なシュノーケルツアーだった。それにしても、他のツアー客は平気でシュノーケルを楽しんでいる。しかも、普通の水着で…。私とは体感温度がまるで違うようである。

 1週間も同じリゾートにいると、自分のお気に入りの場所が決まってくる。海が良く見えるパラパの下のチェアー(写真54)を探し、ここで1日、全く怠惰に過ごす。頭を空っぽにして寄せては砕ける波を眺める。チェアーを倒して見上げれば青い空と椰子の木(写真55)。眠たくなればまぶたを閉じ、鳥の鳴き声や風の音に耳を傾ける。何も考えず、何もしない。ボーと頭上の椰子の木と流れ行く雲を眺める。何もしないリゾート生活はこの上なく心地よい。

 喉が渇いたり、何か食べたくなったら、ビーチを回っているウェイター、ウェイトレス(写真56)に注文すればいい。品物は席まで運んでくれ、代金は部屋付けのサインでOK。もう少し本格的に味わいたければ、ビーチサイドのレストラン「ハバナ・ムーン」に行くといい。特に、ここのテラス席(写真57)は最高である。
 
     
C レストラン
   グランド・マヤンにはレストランが多数ある。ビーチサイド、プールサイド、ゴルフコース、古代マヤ文化風、イタリアン、アジアン、等、多岐にわたっている。日用雑貨・生鮮食品を扱う売店やテイクアウトのコーヒーショップ、そしてルームサービスもある。その日の気分と体調を考えて自由に選べるのはありがたい。

 私が一番利用したのがビーチサイドレストラン「ハバナ・ムーン」(写真58)である。ここはアジア・カリービアン料理レストランで、朝食、昼食、夕食、ともに営業している。チェックインの翌朝、早速ハバナ・ムーンに行く。見知らぬビーチリゾートのレストラン、どんな驚きが待っているのだろうか?期待を込めて入店する。

 店内(写真59)は明るくて気軽なレストランのようである。カリブ海が良く見える窓側の席に座り、メニューから適当に朝食を注文する。キャロットジュース(45ペソ)メインの卵2個料理、ハーシュドポテト、ハム添え(75ペソ)コーヒー(30ペソ)合計150ペソ(チップ込みで約1000円)見た目にもきちっとセットされたブレックファースト(写真60)に嬉しくなる。お味もGoodで手抜きなし。一流レストランと遜色なし。これはいい。

 別の日の朝食は、彩りも美しいフルーツ・プレート(写真61)にキャロットジュースとコーヒー、合計150ペソ(約1100)。席を変えてハバナ・ムーンのテラス席(写真62)もいい。ここでのんびり食事をし、コーヒーを飲み、そしてぼんやり海を眺める。至福の時が流れる。ある日の朝食はハバナ・ムーンの別のテラス席(写真63)で食べた。相変わらずキャロットジュース、ロウファット・オムレツ(写真64)、コーヒー、トースト、合計165ペソ(約1200円)

 私はグランド・マヤンに7泊して朝食をハバナ・ムーンで3回とったが、いずれの食事もおいしく満足のいくものだった。メキシコペソ安(円高)のおかげで1000円程度でカリブ海を眺めながら優雅な朝食をとれたのは幸いである。ハバナ・ムーンでのランチ(写真65)「WRAPP ASIATICO」(95ペソ、約600円)も非常においしかった。

 朝早くからゴルフをする人達のためのレストラン「グリーン・ブレイク」(写真66)もある。目の前に広大なグリーンのゴルフ場が広がる。ゴルフコースを見ながらの朝食ビュッフェ。ゴルフ好きにはたまらない光景(写真67)であろう。

 グランド・マヤンのガーデンプールと広大なメインプールとの間に2階建ての大きな建物(写真68)がある。建物の前に池があり、ごく自然に鳥が休んでいる。まわりはカラフルな木や花が植えられ、どこも美しい。この建物の1階にブティック、土産物売り場、小さいスーパー、テイクアウトのコーヒーショップ、インターネット・カフェ等がある。私はスーパーで果物、パン、ジュース、水を調達し、売店でパック入りのフレッシュサラダ、サンドイッチ、デニッシュ、そしてコーヒー等を買った。

 プールサイドにある「バルチェ・スナック・バー」(写真69)お昼頃になると非常に賑やかなレストランになる。プールの中にある「バルチェ・プール・バー」(写真70)プールに腰掛けたまま冷たいドリンクを味わえる。プールサイドで寝転がっていると、ウェイター、ウェイトレスが走り回って注文(写真71)を受け付けている。トロピカルジュースがうまそう。

 インターナショナル・ビュッフェ・レストラン「デル・ラゴ」(写真72)の入り口。ビュッフェ・カウンターの背後にはマヤ風、インド風、中国風の様々な芸術品(写真73)が置かれ、非西洋的な雰囲気をかもし出している。ビュッフェ代金は317ペソ。中ボトルの水(エビアン)70ペソ,チィップを含んで440ペソ(2728円)払った。昨年来た時は1ペソが10円〜11円だったので、このレートで計算すると4500円相当のディナーになる。カンクンやコスメル等の観光地の物価は高いので、日本円が強いとありがたい。

 まずは、スープにサラダ類から…。濃厚なスープ(写真74)がうまい。メインの肉や魚は多種類あり、適当に少しずつ取り分けて、私の1皿(写真75)にする。肉はどれも固めであまり口に合わない。魚やエビはGood。このレストランには大がかりなステージがあり、ディナーを食べながらショーが見れる。

 日本料理店(アジアンレストラン:写真76)もあるということで行ってみた。昨年オープンの新レストランで、非常に人気がある。完全予約制でいつも満席。着物を着たメキシコ嬢(写真77)が出迎えてくれた。ここのシェフは日系2世で、日本人シェフのお父さんから日本料理を習ったという。野菜天ぷら(写真78:90ペソ)、にぎり9貫(写真79:395ペソ)、みそ汁(60ペソ)を注文する。天ぷらとみそ汁はいまいちであるが、にぎりは非常においしかった。カンクンではなくリビエラ・マヤでも寿司が食べられたのは幸せである。ドリンクとチィップを含めて688ペソ(4265円)払った。やはり、日本料理は高くつく。

 いい部屋に泊まっているので、ある夜はルームサービスにしてみた。ジャグジーで体を温め、テレビを見ながら1人で食事するのも悪くはない。ルームサービスメニューから「エビのオリーブオイル焼き(265ペソ)、グリーンサラダ(98ペソ)、ポットコーヒー(75ペソ)」を注文(写真80)チップを含めて500ペソ(3100円)支払った。
昨年、メキシコに来た時は物価が高いと思ったが、今回は意外に安いと感じた。その訳は“メキシコ・ペソの暴落”にあった。2009年2月5日の英字新聞『マイアミ・ヘラルド』を読んでいたら「メキシコ中央銀行がペソ防衛のために為替介入した」という記事があった。

 ペソは過去6ヶ月間(2008年8月〜2009年1月)でアメリカドルに対して32%下落し、記録的な安値(1$=14.7059ペソ)になった。アメリカの景気後退によるメキシコの対米輸出減少懸念が主因らしい。総裁はペソ下落による国内インフレを心配。事実、2008年12月のインフレは6%になり、7年ぶりの高さになった。

 ひるがえって日本円は強い。2008年9月まで1ペソ=11円前後だったのが、2009年2月には1ペソ=6.2円にまで下落。ペソの対日本円下落率は何と44%にも及ぶ。これが物価が安いと感じた理由である。日本円は今や世界最強の通貨(2009年2月現在)になっている。円高歓迎!
 
     
D シカレの魅力
   グランド・マヤンに滞在中、私は「シカレ」1日ツアーに参加した。シカレはカンクンから南へ約70Km、車で約1時間の所にある。カリブ海に面し、美しいビーチでの海水浴・シュノーケル、鍾乳洞での川下り、イルカとの遊泳、マヤ・ビレッジ、蝶のパビリオン、野外劇場等、見る所、遊ぶ場所はいっぱいある。

 シカレは非常に広くてどこに何があるか良く分からない。よって、事前に「何をしたいか」「何を見たいか」を計画しておく必要がある。もし、「鍾乳洞での川下り」「シュノーケル」がしたければ、まず、「シカレ・プラス」(写真81)へ行く。シカレ・プラスで、シュノーケルセット、ロッカー、タオル等が借りれる。

 メキシコのユカタン半島は石灰岩でできているため、大地に降った雨が地下で鍾乳洞をつくり川となって海に注ぐ。シカレの川下りはこの洞窟(写真82)の中を自ら泳いで下っていく。私は体験してないが、途中に滝あり、洞窟ありでスリル満点という。自分の荷物を大きなバッグに入れて下流(写真83)の出口で受け取ることもできる。

 ビーチに向かって歩いていくと、突然、森に隠れた大きなレストラン「ラ・ラグーナ」(写真84)に出る。そして、森を抜けると待望のカリブ海(写真85)になる。しかし、今日もカリブ海は荒れている。冬場は乾期で天気はいいのであるが、東からの貿易風が強く波が高い。目を転じれば長いビーチに沿ってパラパ(写真86)が沢山作ってあり、好きな場所で休憩できる。私はこういう風景が大好きである。

 シカレではイルカと泳げる「ドルフィン・プログラム」が人気がある。入り江に造られた大きな囲い(写真87)の中でイルカと泳ぐ。遊泳時間は30分間。事前予約が必要で、各種アクティビティーの予約はシカレ入り口に近い「メイン・プラザ」で受け付けている。

 シカレは「入り江」という意味で、外の海が荒れていても入り江内(写真88)は穏やかで海水は温かい。よって、真冬(2月)でも白砂のビーチ(写真89)で海水浴、シュノーケルをやって遊べる。水は透明で底までよく見え、魚もいっぱいいる。ダイビング・シュノーケルツアーもある。昨年、私はシュノーケル・ツアーに参加したが、失望した。カラフルな枝珊瑚を期待したが、ソフトコーラルが所々あるだけだった。

 シカレの中で、一番眺めのよいレストランはビュッフェレストラン「ラ・ペニンスラ」である。岬の先端にあり、外海と入り江の両方の景色を楽しめる。ペニンスラのアウトドアの席(写真90)が特におすすめである。岬の土手の上、パラパの下にちゃんとしたテーブルセッティングがしてある。この席に座れば、右側は荒々しいカリブ海、左側は穏やかなシカレ(入り江)とビーチが見える。ここでゆっくりランチタイムは如何?

 入り江の中は驚くほど穏やかである。鏡のように波のない青い海、白い砂浜、いくつもあるパラパ、生い茂る椰子の木、そして、見上げれば青い空、夢のようなメキシカンビーチ(写真)が広がる。ビーチの目の前にビュッフェレストラン「ドス・プラヤス」(写真91)がある。ビュッフェの値段は$29。小食を心がけている私は店内を見学してパスする。

 ビーチに来たからには白い砂浜のデッキチェアーに腰掛け、海水浴・シュノーケルをしなければ……。 今日は2月2日の月曜日。シカレ内のお客は少なく、ほとんどの席が空いている。眺めのいい、パラパの下のチェアーに陣取り、半日過ごす。目の前は透明で穏やかな入り江で魚も沢山おり、シュノーケルを楽しむ。強烈な太陽で入り江の海水は暖められているようで水温もちょうどいい。大きなイグアナ(写真92)が私の足の先を悠然と通り過ぎていく。イグアナは恐い顔をしているが、非常におとなしい。

 お腹がすいてきたので、ビーチボーイに「サーロイン・バーガー」(写真93:$9)を注文する。薄切りの牛肉が何枚も重ね合わされたもので結構うまかった。チィップを含めて$10渡す。食後は場所を移動して、ハンモック(写真94)を体験してみる。皆さん気持ち良さそうに居眠りしている。私も海に近いハンモックで食後の昼寝にした。見上げれば椰子の木、目の前は青いカリブ海。素晴らしいバカンス、ただし、風が強く少し寒いのが難点である。

 シカレの魅力はビーチだけではない。他にも見るところは沢山ある。蝶のパビリオンは行ってみる価値がある。パビリオン内はそれ程広くはないが、熱帯のカラフルな蝶が乱れ飛んでいる。マヤ・ビレッジ(写真95)では現地の人達がハンモックや織物など、伝統工芸品をのんびり作っている。メキシコの伝統的な墓地(写真96)には驚かされた。1つ1つの墓が極めて個性的で、何でもありのお墓である。

 古代マヤでは球技場(写真97)にて「フエゴ・デ・ペロタ」と呼ばれる球技が行われた。競技が終了すると、負けたほうのチーム代表が「神の国への生け贄」となり、「死の儀式」がとり行われたという。どんな競技なのかは、シカレナイトを見ればわかる。

 シカレ入り口に近いレストラン「ラ・コシーナ」の手前の広い空き地で馬術ショーが開催される。見ていたら日の丸を掲げた騎手(写真98)が現れたので嬉しくなった。野外劇場では様々な踊りの実演が見れる。メキシコの伝統的ダンス(写真99)はカラフルで美しい。朝から夕方まで遊んでも遊び尽くせないシカレ、あっという間に一日が終わる。しかし、大丈夫。シカレの楽しみは夜(シカレナイト)まで続く。
 
     
E シカレ・ナイト
   「シカレの本当の魅力はシカレ・ナイトにある」と私は思う。屋根だけつけた吹き抜けの大劇場(Gran Tlachco:写真100)で光と音による壮大なるメキシコ歴史絵巻が展開する。

 ビーチでしっかり遊んだお客は夕方になると大劇場方面へぶらぶら歩いていく。大劇場への入り口に城門があり、その上に古代マヤ族に扮した人々(写真101)が無言で立っている。城門を過ぎても大劇場までの道路の斜面におどろおどろしい格好の人たちが無言で立っている。お客は早くも古代マヤの幻想的世界に導かれる。

 劇場の席は全て自由席なので早めに劇場に行って好みの席を確保するといい。私は、中央最前列の席に座った。目の前でショーが展開し、迫力満点! ショーを見ながらディナーが食べれる特別席もある。メイン・プラザの予約センターであらかじめディナーチケットを購入して、開演までに劇場に行けばよい。値段は忘れたが$40〜$50だったような気がする。恋人同伴なら是非シカレの「ディナーショー」へ……。

 シカレ・ナイトは夕方6時(冬時間)にはじまり、8時過ぎに終了。出演者は300人以上にのぼる。ナレーションはスペイン語と英語で話されるのでよく分からないが、以下、私の独断でストーリーの解説をする。間違っていたらご指摘頂きたい。

 オープニングは白い布をまとった可愛い少女の素朴な歌ではじまる。そして、古代マヤ族の大集合(写真102)となる。シカレ・ナイトの前半の見せ場は古代マヤの球技「フエゴ・デ・ペロタ」(写真103)である。腰でゴムボールを打ち合いながら壁の上部に突きだしている円形状の穴にボールを通す。2チームで競い合い、見事ボールが穴に通ったら拍手喝采である。

 劇場を真っ暗にして行われる火の玉の競技(火の神のゲーム:写真104)も迫力がある。競技はまるで火の玉ホッケーである。危ないので前方の席の前には金網がしてある。この競技が終了すると金網は降ろされ見通しがよくなる。

 幸福なマヤの時代は、16世紀前半、突然終了する。1519年、スペイン人エルナン・コルテスがメキシコに上陸(写真105)し、2つの世界が出会う。アステカ帝国の9代の王「モクテスマ2世」はスペイン人を東方から来た神と思い、最初は歓迎(写真106)する。しかし、スペイン人はアステカの文化、伝統を破壊し疫病を持ち込む。怒ったアステカ人達は一斉に蜂起しメキシコ人に戦いを挑む。

 怒りのモクテスマ2世写真107)「おのれー、スペイン人め、神の天罰を与えてやるー」

 しかし、近代的な武器を持ったスペイン人は圧倒的に強く、アステカの反乱を鎮圧してしまう。破壊された古代マヤにキリストの十字架が立てられ、メキシコ人の宣教師(写真108)がやって来る。多くのメキシコ人がキリスト教に改宗(写真109)し、いつしか、メキシコ人とスペイン人との間に友情が生まれる。そして、スペイン支配下において民族の融合(写真110)がはかられる。

 ここまでがメキシコの歴史編で、これ以降はメキシコの各地に伝わる様々な歌と踊りの競演になる。バイオリン、ギター、チェロの競演(写真111)。老人達の愉快な踊り(写真112)。メキシコの伝統的なぺア・ダンス(写真113)。ソロの歌も沢山ある。しかし、スペイン語なので何を歌っているのか全く分からない。巨大なタコが入場し、その周りで人々が踊る。珊瑚を背負った女性達(写真114)が入場し、華やかなダンスが繰り広げられる。

 劇場内が突然暗くなり、ステージ中央のパパントラ・フライヤーのリーダー(写真115)にスポットライトがあたる。彼は笛を吹きながら踊りはじめる。そして、高い塔のてっぺんから回転しながら降りてくる「パパントラ・フライヤー」(写真116)が開始される。

 シカレナイトは休みなく続く。軍楽隊のバンド演奏をバックに男性歌手がソロを歌う。代わって女性歌手(写真117)がソロを歌う。着飾った男女がワルツを踊る。20世紀初頭、日曜日の公園の風景。野菜や果物をいっぱい載せた行商人も往来する。迫力ある太鼓の連打。そして、華麗なマリアッチの音楽にのせて若き男性歌手(写真118)が歌う。フィナーレ近し。観客はメキシコ人が多く全員合唱の雰囲気になる。そして、休憩なしの2時間があっという間に過ぎ去りフィナーレ(写真119)を迎える。
 
     
◇ その他、一般情報
 
リビエラ・マヤ周辺のRCI加盟リゾートクラブ

  ☆:ゴールドクラウン認定リゾート
  ◎:その他のリゾート
  ---[All Inclusive - Mandatory] :宿泊者全員オールインクルーシブ
  ---[All Inclusive - Optional]:オールインクルーシブの選択可能

■私の宿泊したリゾートクラブ

☆ザ・グランドマヤン・リビエラマヤ
http://www.mayanresorts.com/the-grand-mayan/riviera-maya/

☆マヤンパレス・リビエラマヤ
http://mayanresorts.com/mayan%2Dpalace/riviera%2Dmaya/

以上の2つのクラブは「All Inclusive」なしのクラブ。通常のホテルと同様に、自分が注文した飲食物を各自支払う。

一方、以下の全てのクラブは「All Inclusive - Mandatory」システムを採用。宿泊者全員がオールインクルーシブになり、リゾート交換料金(31500円)以外にオールインクルーシブ代金(1日1人約60$、ただし、リゾートによって料金は違う)を現地で支払う。

■カンクンからプラヤデルカルメンまでの間に位置するリゾートクラブをカンクンから近い順に列挙。

☆Hotel Marina El Cid Cancun-Riviera Maya
http://www.elcid.com/destinations/cancun.cfm

☆Hacienda Tres Rios
http://rci.sunsetworld.net/HaciendaTresRios.aspx?Res=HTR

☆Grand Velas All Suites & Spa Resort
http://rivieramaya.grandvelas.com/

☆BlueBay Grand Esmeralda
http://www.bluebayresorts.com/en/hotel/bluebay-grand-esmeralda.html

☆Playacar Palace
http://www.palaceresorts.com/Resorts/PlayacarPalace/Index.asp

■プラヤデルカルメンより南にあるクラブ

◎Occidental Grand Flamenco Xcaret
http://en.occidentalhotels.com/grand/Xcaret.asp
注:シカレ・マリンパークに隣接し、シカレまで徒歩またはゴンドラでアクセスできる。

☆Aventura Spa Palace
http://www.palaceresorts.com/Resorts/AventuraSpaPalace/Index.asp

☆Aventura Cove Palace
http://www.palaceresorts.com/Resorts/AventuraCovePalace/Index.asp

                                        (2009年10月 掲載)