@ アンフィ・パレス・ミューレン  
     
A RCI認定ゴールドクラウンリゾート  
     
B スコットランドの中古会員権市場  
     
  C 旅情をそそる、ヨーロッパ国際特急列車の旅  
     
◇ その他の一般情報  
     
     
     
@ アンフィ・パレス・ミューレン
   私は、2005年の秋、スイスアルプスの高級ホテル「アンフィ・パレス・ミューレン( http://www.palace-muerren.ch)」(写真1)にRCI海外交換を利用して1週間滞在した。

  スイスアルプス山中の小さな村ミューレンは、氷河によって深く切れ落ちたU字谷の断崖の上にある。空を見上げれば万年雪におおわれた名峰「アイガー」「メンヒ」「ユングフラウ」の大展望が広がり、(写真2)眼下には800mも下に緑豊かな村が点在する。谷底の村から白い山頂まで一気に聳え立つ白い巨人達、ここミューレンからの4000b級のアルプスの眺めは圧巻である。
  私は、この眺望を楽しむためにわざわざミューレンまでやってきたのであるが、連日快晴が続き、素晴らしいバカンスになった。


  私の部屋は1階の102号室、簡易キッチィンとダイニングテーブル付きのステューディオであった。(写真3)断崖の上に建っているホテルなので1階でも眺めは抜群である。早速窓を開けてバルコニーに出てみると、右斜め上方に雪をかぶったアイガー、メンヒが聳え立っている。(写真4
 目を下に転じればミューレンの丘の斜面にログハウス風の本格的シャーレーが建ち並び、(写真5)周りの木々は紅葉している。
  このホテルに1週間滞在できる。しかも、宿泊代金は3万円だけ。
海外リゾート交換RCIの凄さを再び実感した瞬間である。


  時間はいっぱいある。何しろこのホテルに7泊もするのである。
自分の体調と天気に合わせてスケジュールを組めばよい。例えば、ミューレンの村の小さなレストランで、アイガーを眺めながらゆっくりランチをとったり(写真6)、朝早くロープウエーを2つ乗り継いでシルトホルンの山頂で朝食をとったり(写真7写真8)また、登山電車を乗り継いで遠くユングフラウヨッホまで出かけてもよい。(写真9写真10

  元気ならアルプスの大展望を楽しみながらのハイキングもできる。(写真11)外出するのがおっくうならば、ホテルに隣接している大きなスポーツセンター内の室内温水プールやジャグジーで心と体を癒せる。(写真12写真13) 究極の贅沢はホテルの部屋のバルコニーで白く輝くアルプスを眺めながら、何もせず1日を過ごすことである。(写真14)そんな夢みたいなことを可能にしてくれるのがこのホテルであり、1週間滞在型のタイムシェアリゾートである。
 
     
A RCI認定ゴールドクラウンリゾート
   さて、私の宿泊した「アンフィ・パレス・ホテル」(以下、パレスホテルと略記する)の歴史は古い。今から100年以上も前の1874年にオープンし、幾多変遷を経た後、1998年よりタイムシェアリゾートをスタート。同時に4つ星ホテルとしても営業している。

  世界のRCI加盟リゾートが掲載されているディレクトリー英語版がある。500ページもある厚い本で世界中の加盟リゾート(抜粋)が写真入りで載っている。これを見ているだけで楽しくなる。しかも、予約さえ取れれば、どのリゾートも1週間3万円で滞在できる。海外旅行の夢がどんどん広がっていく。

  この中で「王冠(クラウン)」の記号がついたリゾートがある。RCIが認定した最高級グレード「ゴールドクラウンリゾート」である。パレスホテルは2000年より毎年RCIゴールドクラウンリゾートとして認定されている。期待が高まる。

  日本の加盟リゾートの中でも、ゴールドクラウンとして認定されているリゾートホテルがある。次の4カ所である。(2007年1月現在)
  エクシブ鳴門サンクチュアリ・ヴィラ
  エクシブ鳴門サンクチュアリ・ヴィラU
  エクシブ軽井沢サンクチュアリ・ヴィラ
  エクシブ京都八瀬離宮
  東京ベイコートクラブ(2008年3月誕生予定)
上記施設の詳細はリゾートトラスト社のホームページ
http://www.resorttrust.co.jp)参照

 私はRCI海外交換を申し込む時は、いつも希望地区内にある数カ所のゴールドクラウンリゾートをリクエストしておく。せっかく海外のリゾートホテル・コンドミニアムに1週間も滞在するわけであるので、出来るだけグレードの高いリゾートに泊まりたい。よってゴールドクラウンを主にリクエストしておく。しかし、外れることが多い。今回、“幸運にも”リクエストが実現した。しかし、これには少々訳がある。

  実は、私は紅葉の綺麗なスイスアルプスを楽しみたくて10月の第1週のパレスホテルをリクエストしておいた。元々スイスにはRCI加盟リゾートは少なく、ミューレンにはゴールドクラウンのパレスホテルしかない。よって、予約が取れなかったら終わりである。取れたらスイスに行く。そんな自由な構えで気長に待っていたのである。
  RCI事務局からの返事は予想通り×、しかし、日程を2週間後にずらせばOKという返事であった。少々迷ったがOKを出し、10月の第4週の1週間、パレスホテルに滞在した。
 
  季節はまさに晩秋、7割がた紅葉は終わり、観光客もまばらであった。ミューレンの村の土産物店やレストランも半分くらい閉鎖され寂しい風情である。パレスホテルでは10月の第4週からオフシーズンに入る。だから交換が成立したのではないか?と私は推測する。

  1週間3万円のRCI海外リゾート交換は非常に利用価値のあるシステムだと思う。しかし、過大な期待を持つと失望するかもしれない。RCIはあくまでもリゾートの交換なので、トップシーズンのゴールドクラウンをリクエストしても実現の可能性は少ない。人気のあるリゾートはそもそもそこのオーナー自らが権利を消化してしまい、交換に出さないからである。よって、時期をずらすか、特定リゾートにこだわることをあきらめるか、等、何かを犠牲にする必要がある。さらに、いつ交換成立が確定するか分からない。これでは忙しい社会人にとっては利用価値は低い。

  それでも、1週間3万円の海外リゾート交換は素晴らしいシステムだと思う。特に、退職した熟年世代、とりわけ海外旅行が好きな人であれば、有り余る時間を有効活用するのに最適な方法になるのでは?

  日本でのRCI交換は基本的に「早く申し込んだ者」順に交換が成立する。よって、「時期をあまり限定せず、世界中の行きたい地区を前もってリクエストしておき、交換が成立したら旅に出かける」こんなことも可能である。まさに、退職者の特権。長年、真面目に働いてきた自分へのご褒美に海外リゾート交換、如何ですか?

 
     
B スコットランドの中古会員権市場
   私は宿泊しているパレスホテルのレストランでディナーを何回もとったが、あまりの静けさに少々戸惑った。シーズン終了間際、晩秋のスイスアルプスの高級ホテルなので客は少なく、いつも5〜6組くらいしか食事をしていなかった。私の驚いたのはお客達が声を落として極めて静かに話しながらディナーを楽しんでいることである。まるでひそひそ話をしているように……。
「これが、ヨーロッパの格式あるレストランでのマナーなのか?」
あまりグルメ派ではない私は経験不足でよく分からない。私は静かな雰囲気が好きなのであるが、ここまで静かだとかえって落ち着かなくなる。

  お客の中に1組だけ小学生くらいの可愛らしい女の子を連れた家族がいた。私はその女の子のマナーの良さに感心した。ミューレンの村のレストランでも偶然出会いランチを一緒にとったのであるが、その子は静かに食事をしながらもちゃんと大人の会話に参加している。お人形さんみたいにかわいい小学校4年生のシモーネちゃんである。

  お父さんは北アイルランド出身のサイモンさん(47歳)、お母さんはスコットランド出身のリンダさん(43歳)である。たまたま彼らは私の隣の部屋103号室で、お互いにリゾートクラブのタイムシェア利用による1週間滞在であったので親しくなった。(写真15
  サイモンさんに聞いてみたら、彼はスコットランドにあるゴールドクラウンリゾートのメンバーで、しかも、クリスマスシーズンの1週間を買ったという。最高級リゾートのトップシーズンの持ち主である。交換利用の優先権は高い。

  上品で知的な家族なので、さぞかしイギリスの上流階級の出かな?と想像しつつ、少し親しくなってから私は彼に聞いてみた。
「いくらでリゾートを購入されたのですか?」
意外にも、彼は笑みを浮かべながら喜んで答えてくれた。
「約3000ポンドです(約60万円)。3年前、中古市場から買ったんですよ。新規なら8000〜10000ポンド(160〜200万円)はするけどね。スコットランドの中古市場は安いですよ。興味があったら業者を紹介してあげます」と。(2005年10月、1ポンド=約200円)

  これにはびっくりした。自分と同じことをしているイギリス人が隣の部屋に泊まっていた。2人の会話が急に盛り上がっていったのは言うまでもない。父親はエジンバラの地方公務員、母親は専業主婦。1年に1回リゾートを楽しむイギリスの庶民だった。

  私は話題を変えて、母親のリンダに聞いてみた。
「シモーネちゃんのマナーは実にいいですね。日本の子供と比べると模範的に見えます。どうやって日頃からしつけをしているのですか?」
自分の子供をほめられて嫌な気になる親はいない。リンダは嬉しそうに答えた。
「何事も彼女が第1ですよ。シモーネが生まれる前は貿易関係の会社の秘書をしていたんですけど、出産と同時に辞めたんです。今までにシモーネを叱ったことはありません。いつも時間をかけて話し合い、何事も自分で考えさせて実行させています」と。

「へー……」私は子育ての見本を見たような気がした。
 
     
C 旅情をそそる、ヨーロッパ国際特急列車の旅
   私は、ドイツ(フランクフルト)から、パレスホテルのあるスイス(ミューレン)まで鉄道で移動した。さらに、ミューレン滞在後はイタリア・スイス・ドイツ3カ国を鉄道で周遊旅行した。

  ヨーロッパの鉄道の旅は非常に快適である。座席は広くて座り心
地がいい。絵葉書のような車窓の風景がいつでも眺められ、知らな
い内に国境を越える。国が違うと風景も変化する。よって、飽きな
い。主要な国際特急列車には食堂車が連結しており、移り変わる景
色を見ながら地元の料理を味わえる。

  私が乗車したヨーロッパ国際特急列車(1等車)の経路を次に紹介しよう。これは、私の著書『熟年世代に送る 安くて豪華に旅する方法』第2章4で記したものであるが、今回は写真を沢山添えて臨場感を出したいと思う。

《乗車1日目》フランクフルト→インターラーケン

  ドイツの新幹線『ICE(インターシティーエクスプレス)』乗車。
乗り心地満点。座席配置は日本の新幹線グリーン車の2倍のゆとりがあり、列車版ビジネスクラスである。広々としたテーブル席で、コーヒーを飲みながら移りゆくドイツとスイスの車窓を楽しむ。(写真16)まるで、テレビの『世界の車窓から』のように……。ドイツからスイスアルプスの麓に至る5時間強の誠に快適な国際列車の旅であった。ミューレン(泊)

《乗車2日目》シュピーツ→ミラノ(泊)

 イタリアが誇る高速列車『チザルピーノ』乗車。この列車はスイスのバーゼルからイタリアのミラノまでアルプスの山々と湖を左右に見ながら走る国際特急列車で、3時間半の眺めの良いアルプス縦断の旅であった。イタリア第2の都市ミラノ(写真17)に到着。
 
《乗車3日目》ミラノ→ティラノ→サンモリッツ(泊)

  美しい湖と山々が連なるイタリア北部の「湖水地方」をのんびり走るイタリア国内列車に約2時間乗車。(写真18写真19)その後、鉄道ファン憧れの『ベルニナ特急』に約2時間乗車。山々を埋め尽くした木々の紅葉と氷河を従えた白く輝くアルプスを見ながら、全く息をのむ感動の連続であった。(写真20写真21写真22)世界的なスキーリゾートであるスイスのサンモリッツ到着。(写真23写真24)合計約4時間。
 
《乗車4日目》サンモリッツ→クール→チューリッヒ(泊)

  『ベルニナ特急』に約2時間乗車。感動のアルプス縦断の旅を再び体験する(写真25)。その後、総2階建て車両のIC(インターシティー)(写真26)に1時間強乗車してスイスの大都市チューリッヒ到着。(写真27)合計約3時間強乗車。

《乗車5日目》チューリッヒ→フランクフルト

  ドイツの新幹線ICEに再び乗車、約4時間かけて終着地フランクフルトへ。このICEはスイスのチューリッヒを出発し、フランクフルトを経由して、バルト海に近い北ドイツの美しい街、ハンブルクに至る。車窓に見える木々は落ち葉が増し、季節は晩秋から初冬に向かっている。車内でドイツ系カナダ人のアネマリー・ペパースさんと知り合い、食堂車でランチを楽しむ。(写真28

 
     
◇ その他、一般情報
   ◎ ヨーロッパ鉄道の旅 おすすめリンク

  (1)ユーレイルパス

  ヨーロッパ内を鉄道で自由に周遊旅行をする人に最適な乗車券がユーレイルパスである。ただし、ある程度長距離を乗らないと元がとれない。各種のレイルパスがあるので詳しくは次のホームページ参照。 http://rail.arukikata.com/

  (2)スイス国鉄時刻表(インターネット版)

  スイスは鉄道網が発達している。鉄道の時刻は極めて正確で、車内はクリーン、車掌は英語を話すので、鉄道による個人旅行は快適である。自分の好きな日程で列車を乗り継ぎスイス内を旅行するのも夢ではない。そのための強力な武器がインターネット版スイス国鉄時刻表(英語版)である。http://www.sbb.ch/en/
 
  これはオンラインのスイス鉄道時刻表(スイス以外もカバー)で、旅行したい日時、出発駅、到着駅、経由地を入力すると正確な時刻表が出てくる。途中の停車駅や列車の種類、車内サービス(食堂車、バーコーナーの有無等)かなり詳しい情報が得られる。プリントアウトして持参すれば、自分の乗っている列車がどこを走っているか、容易に分かる。
  英語版が使いにくい人にとってはスイス政府観光局の公式サイト(日本語版)が便利である。
  http://www.myswiss.jp/timetable/
時刻表の検索方法からはじまって地図検索、オリジナル時刻表作成まで、詳しい説明が載っている。オンライン時刻表を使いこなせばスイス(ヨーロッパ)鉄道の旅は近い。

 ◎ スイスのRCI加盟リゾート(抜粋)

  スイスのRCI加盟リゾートの中で各リゾートのホームページに直接リンクできるもののみを以下に掲載する。(2007年1月現在)
(☆印 ゴールドクラウンリゾート)

☆Alpin Palace Muerren  http://www.palace-muerren.ch
☆Les Naturelles http://www.residence-naturelles.ch
☆Aparthotel Helvetia Intergolf http://www.helvetia-intergolf.ch
  Les Cretes-Euroloisirs  http://www.lescretes.ch
  Portes du Soleil http://www.portesdusoleil.com
  Residence Mont-Calme http://www.mont-calme.ch
  Castel Club http://www.apparthotel-leysin.ch
  Residence Chamossaire http://www.apparthotel-leysin.ch