@ コートヤード・バイ・マリオット滞在  
     
A ゴールドコーストの中心、サーファーズパラダイス  
     
B 荒れ狂う高波に挑戦するサーファー達  
     
C ゴールドコーストのおすすめ観光スポット  
     
D ゴールドコーストで円安(斜陽化する日本)を考える  
     
E 一般情報  
     
     
@ コートヤード・バイ・マリオット滞在
  2007年12月26日〜2008年01月02日まで、私はオーストラリアのゴールドコースト(写真1)に行ってきた。今回は家族4人による年末・年始の海外旅行である。ゴールドコーストはブリスベンの南方約70Kmに位置する世界的に有名なビーチリゾートで、南太平洋に面した白砂の美しいビーチが南北に60Kmも続く。

12月26日、夜9時30分、成田発カンタス航空360便(日本航空との共同運行便、JAL機材使用、B747-400)に搭乗。進行方向左の窓側の席(A席)から横3席とその後ろの席を確保する。夜、日本を出発してオーストラリア(ブリスベン)に直行する飛行機ではA席がおすすめである。飛行機がオーストラリアに近づくにつれて、夜の闇が少しずつ明るくなり、朝日が昇るドラマ(写真2)がじっくり楽しめる。

それにしても年末・年始の航空代金は高くつく。成田からブリスベンまでの往復航空券が129000円(旅行会社:旅太郎)。年末にしては安いと思い早めに申し込んだのであるが、追加代金がすごい。燃料サーチャージが25800円、特定日・土日帰着代が25000円、空港利用税等が11400円、合計191200円にもなってしまった。家族4人分なので、この4倍を支払った。

私達はゴールドコーストの中心、サーファーズパラダイスに建つ高層ホテル「コートヤード・バイ・マリオット(写真3)」(以下、コートヤードと略記)に6泊した。コートヤードは巨大なショッピングセンター「パラダイスセンター」と複合施設を成し周囲にはレストラン、ショップが集中している。それでいて、ビーチまで1ブロックの近さなので抜群のロケーションである。

期待を膨らませながらホテル玄関をくぐる。残念ながらコートヤードのロビーはそれ程広くも豪華でもない。ロビー階にラウンジもレストランも無く高級リゾートホテルを期待して宿泊すると失望するかもしれない。街の中心にある機能的な4星ホテルと思うしかない。

我々の客室は20階にあるオーシャンビューのツインルーム。家族4人なので2部屋(2009号室、2010号室)を確保した。マリオット系列らしい綺麗なツインベッド(写真4)や広いデスク周り(写真5)にとりあえずは満足する。

さて、宿泊代金は?1泊1室税・サ込みで250オーストラリアドル(以下,$と略記)、約25000円である。(1$=100円換算、2007年末現在)12月27日から30日までの4泊は「エスケイプ・ワイン・ダイン」プランになっていたので、夕食・ボトルワイン付きの料金である。1人あたり12500円。31日は特別料金で355$、1月1日は255$、いずれもルームチャージのみ。(マリオットのホームページよりネット予約)

早速、客室のバルコニーに出て、海を眺める。ビーチサイドのホテルに泊まる以上、バルコニーからの海の眺めは外せない。バルコニーから左側(写真6)を見る。青い海と白い波が美しい。バルコニーから正面のビーチ(写真7)を眺める。写真正面にあるビーチがサーファーズパラダイスのメインビーチで、12月31日の夜にはこの周囲は大変な賑わいになる。バルコニーの右側(写真8)は高層ビルがあるので海への視界が完全にさえぎられてしまう。しかし、全体的に眺望はいいのでオーシャンビューの部屋に満足する。バルコニーからシティー方面(写真9)を見る。高層ビルが林立し、とりわけ超高層コンドミニアムの「Q1」が近くにそびえ立つ。

注:バルコニーから見えるビーチ付近にヒルトンによるホテル・コンドミニアム2棟が建設予定なので、今後、視界がさえぎられる可能性がある。

ホテル5階にレクレーション施設が沢山ある。小さめのトレーニングルーム、ビリヤード1台、そしてルーフトップのプール(写真10)。この日は風が強く海では遊泳禁止になっているので大勢の人がプールサイドでバカンスを楽しんでいる。プールは温水ではないので、長くプールに入っていると体が冷えてくる。プールサイドのジャグジーは必需品である。ホテル5階の屋上にテニスコート(写真11)が1面ある。私は若い時、テニスに夢中になっていたが、今は完全に熱が冷めてしまった。ゴールドコーストにまで来てテニスをする気にはならない。

さて、待望の夕食の時間である。ホテルのレストラン「Rez252」へ、シーフード(ビュッフェ)を食べに行く。

まずは、ビュッフェ・カウンター(写真12)からシーフードのオードブル盛り合わせ(写真13)を作る。生かきにレモンをしぼって食べる。実にうまい。小ぶりながら蒸した伊勢エビ?にタレをつけて食べる。これもうまい。もう一皿、違ったシーフードのオードブルを作って食べる。次は肉料理中心(写真14)にする。ローストチキンをメインにして、ビーフの煮込みと肉団子、ついでに白身魚のソテーも盛りつける。ここらでパンとスープが欲しくなる。スープは毎日変わり、色々な味が楽しめる。かなりお腹がふくれてきたが健康のために生野菜の盛り合わせ(写真15)も食べなければ…。ドレッシングの種類が多く、説明がないので迷ってしまう。カンでいくしかない。最終コーナーではチーズ・フルーツ盛り合わせを作り、クラッカーの上にカマンベールチーズを載せて食べる。うまい。そして、最後はデザート盛り合わせ。12月27日から30日まで4夜連続、このような豪華なシーフードビュッフェを楽しんだ。

シーフード・ビュッフェの値段は金曜日・土曜日は1人49$、その他の曜日は44$。「エスケイプ・ワイン・ダイン」プランは1部屋につき2名分の夕食と1本のボトルワイン付きなので100$程度のディスカウントになる。これを差し引けば1人あたり1泊7000円〜8000円の宿泊代金になり、お値打ち感が増す。

 
     
A ゴールドコーストの中心、サーファーズパラダイス
 

サーファーズパラダイスを中心とするゴールドコーストの発展には目を見張るものがある。現在のゴールドコーストには高層ビルが林立し洗練された都会の全てがそろっている。しかも、美しいビーチに沿って開発されているのでビーチリゾートでありながらも都会の快適さを味わえる。

日本の冬はオーストラリアの夏になるので日の出は早い。私は朝6時にはベッドから起き出し、家族を残して1人でサーファーズパラダイスのビーチに飛び出して行った。朝日に輝く早朝のビーチは素晴らしい。まず、南の方向(写真16)を見る。地上80階建ての「Q1リゾート&スパ」がキラキラ光っている。次に、ホテルのある西の方向(写真17)を見る。右端のビルが私の宿泊ホテル「コートヤード・バイ・マリオット」。最後に北の方向(写真18)を見る。高層ビルが延々と続く。ホテル、サービスアパートメント、コンドミニアム等、多様な宿泊施設がそろっている。

ビーチを北の方に歩いていくと、ビーチフロントに立つ高級コンドミニアム(写真19)を見つけた。こういうのを見ると「高層階のコンドミニアムを買って、ここに住んでみたい」という夢が広がる。しかし、1ベッドルームでも5000万円〜。夢の世界のお話である。

再び早朝の静かなビーチ(写真20)。もし、私が若かったら日本を脱出してゴールドコーストで住みついていたかもしれない…。2007年末現在のオーストラリア経済は絶好調で人手不足。世界中から若者達がワーキングホリデーを利用してオーストラリアにきているという。日本、韓国、中国からの若者も多い。

ゴールドコーストは南北に長い海岸を有しており、ビーチ沿いにグリーンの芝生と遊歩道が続く。ゴミ1つ落ちていないのに驚く。観光客や住民のマナーがいいのか、清掃が徹底されているのか、どこを見ても綺麗である。青い海と白い砂浜、そしてグリーンの芝生、私はこういう風景が大好きである。朝、夕、多くの人が遊歩道でジョギングや散歩を楽しんでいる。私も、行きはビーチを散歩し、帰りは遊歩道を軽くジョギングしてホテルに帰った。

早朝の散歩から帰ってシャワーを浴びる。妻や子供達も既に起きて朝食の準備をしている。もちろん、朝食(写真21)はホテルのバルコニーで!しかし、この日は強風のためバルコニーで優雅に食事をする気になれない。残念ながらイメージ写真を撮っただけである。宿泊ホテルの地下に大手スーパーの「ウールワース」があるので、食料品を含めて何でもそろう。6回の朝食は全てスーパーから調達し部屋で食べた。家族4人分なので極めて経済的である。

ゴールドコーストの中心サーファーズパラダイスは南北5kmほどのビーチ沿いに広がっているが、観光客が集中する地区は意外と狭い。宿泊ホテル「コートヤード」を起点にすれば、北に約500m、東西に約250mの範囲内にファッショナブルな街が収まってしまう。この狭い範囲に数え切れないくらいのレストラン、カフェ、コンビニ、ネットカフェ、免税店、高級ブランドショップ、格安ショップ、大型スーパー等がある。

サーファーズパラダイスで一番気分が盛り上がってくるのが歩行者天国カビル・モール(写真22)である。この周囲にレストラン、カフェが集中しており早朝から深夜まで観光客が絶えることがない。泳がなくても昼頃になるとお腹がすく。昼食時でもカビル・モールのレストラン(写真23)は人であふれている。私の行きつけの「スターバック」(写真24)もある。カフェラテ(グランデ:約400円)をテイクアウトし、大きなコーヒーカップを片手にビーチや街をぶらぶら歩く。これが結構楽しい。通りすがりの人達はにこにこ楽しそう。エンジョイ、バカンス!

カビル・モールから続くサーファーズパラダイスビーチ入り口(写真25)。陽が昇ってくると大勢の人がここからビーチ(写真26)に入る。しかし、強風のため遊泳禁止(赤旗)。それでも多くの人がビーチに来て海(写真27)を眺めている。

12月27日の午前中にゴールドコーストに着き、1月1日まで6泊もしたのであるが、快適にビーチで遊べたのは初日のみ。後は悪天候に悩まされた。天気はころころ変わり、晴天になったかと思うと急に黒い雲が出てきて雨になる。相変わらず強風で遊泳禁止。ゴールドコーストには来ないはずの「台風」がオーストラリアの沖合で停滞しているらしい。肌寒く、強風が吹く。それでも子供や若者はビーチで遊んでいる。

夕方から夜にかけてカビル・モールにある屋外レストランは超満員になる。12月31日の夜、我々4人でカビル・モールの屋外レストラン「シーフード・マニア(写真28)」に入る。呼び込みの店員(女性)が若くてきれいで、しかも日本語で話しかけてきたので、ふらふらと入った。彼女は日本の大学を卒業した韓国人女性で、ワーキングビザで滞在中とのこと、笑顔がとてもいい。

各自好きな物を注文する。サラダ盛り合わせ(写真29)は新鮮で美味い。サーロインステーキ(写真30)は思ったより柔らかくgood。その他、家族で色々注文したが、写真を撮るのを忘れて食べてしまった。

サーファーズパラダイスは夜遅くなっても観光客でいっぱい(写真31)なので、不安は感じない。特に、12月31日の夜は異常に盛り上がる。例年、12月31日の夜はサーファーズパラダイスのビーチで花火大会が催されるが、今年は悪天候で中止。誠に残念である。

 
     
B 荒れ狂う高波に挑戦するサーファー達
 

ゴールドコーストは世界中のサーファーの憧れの地である。ゴールドコーストの北部から南部にかけてサーフポイントが沢山あり、プロサーフィンの世界大会も開催される。よって、各ポイント周辺には宿泊施設・レストラン等が整備されギャラリーも多い。

実は私の息子(24歳)はサーファーで、彼は日本からサーフボード2枚を持参してゴールドコーストまでやって来たのである。「息子のサーファーとしての勇姿を見ること」「彼からサーフィンの手ほどきを受けること」が今回の家族旅行の最大の目的だった。しかし、悪天候のため家族でビーチで遊んだのは初日のみ。後は強風のため連日遊泳禁止になってしまった。それでもサーファー達はいい波を求めて移動する。

ある日、家族でサーファーズパラダイスから20km程南にある「グリーンマウント」のビーチ(写真32)へ、サーフィン見学に行った。グリーンマウントへはサーファーズパラダイスから路線バス「サーフサイドバス」に乗って1時間強で着く。往復800円程度。ビーチの前に広い芝生があり、海岸道路をはさんでホテル・コンドミニアム(写真33)が建っている。

小さな岬「キーラポイント」(写真34)には既に多くのギャラリーが詰めかけている。この岬の左側が「キーラ」、右側が「グリーンマウント」。いずれも人気の高いサーフポイントである。悪天候にもかかわらず(悪天候だからこそ?)ビッグ・ウエーブに挑戦するサーファーがキーラ周辺に集う。こんなに荒れ狂う波に乗るなんて狂気としか思えない。私の息子もさすがに恐れをなしてこの日は撤退した。(2日後、彼は挑戦した)

巨大な波が押し寄せ、サーファーは米粒くらいにしか見えない。ジェットボートに引かれて波に乗るサーファー(写真35)もいる。波が巨大すぎて自分のパドリングだけでは波に乗れないからである。巨大な波をうまくとらえ見事に波に乗ったサーファー(写真36)。その瞬間、ギャラリーから歓声があがる。しかし、見事、波に乗っても背後から崩れ落ちる白波(写真37)が迫ってくる。
「危なし!サーファー」
「頑張れ、サーファー」
目の前で本物のドラマが展開する。これは凄い迫力である。

キーラポイントでサーフィン見学をした後、息子の案内で場所を移動する。サーファー達が海に入る場所に行くという。グリーンマウントの広い芝生を横切って、もう1つのサーフポイント「デュランバー」方面へ歩いていく。ビーチに沿って遊歩道が作ってあり海を見ながらのんびり歩く。

途中で知り合った地元のサーファー(写真38)。子供の時からここでサーフィンをしているという。筋肉隆々、実にたくましい青年サーファーである。私の息子は大学時代にサーフィン部に所属し、在学中、インドネシア(バリ島、ロンボク島)へ何度もサーフィンをしに行っている。サーファー同士(写真39)、情報交換しているのだろうか?

遊歩道の途中にウッドテラス(写真40)があり、海に挑むサーファー達を見学できる。遠浅のグリーンマウントのビーチ(写真41)の向こうにキーラポイントが見える。かなりの距離を歩いてきた。正面の小さな岬(写真42)が入水ポイント。キーラからは遠い。沖合の高波と強風に流されながら、数qにわたってサーフィンをし、キーラまでたどり着く。とんでもない荒技である。

グリーンマウントのビーチを歩く2人のサーファー(写真43)。これから海に入ろうとする彼らをカメラでしっかり追うことにする。入水ポイントの岩場には滝のような大きな波が押し寄せ砕け散る。この荒れ狂った岩場の手前から海に入る。アプローチポイントに近づく2人(写真44)。いよいよ入水。

海に入っても波の力が大きすぎてなかなか沖に出られない。何回も大きな波をやりすごし、手頃な波が来た時にタイミング良く潜り込んで沖に行く。巨大な波(写真45)がまるで壁のように切り立って動いていく。米粒のように小さなサーファーがたった1人でその波に立ち向かっていく。そして、一端沖に出るとキーラ方面に流されながら、いい波を探し、果敢にトライする。失敗も多い。

しかし、一端成功すると、波が長大でキーラ方面まで一定のスピードで動くので、上級サーファーは様々な「技」を披露してくれる。4mはある波の壁を上から下、下から上に移動したり、パイプラインの中をくぐったりして我々の目を楽しませてくれる。しかし、圧倒的パワーの波に跳ね飛ばされたり、埋められてしまう時の方が多い。

今日の波はキーラポイントの先あたりが一番大きくなっており、ギャラリーも多い。よって、ここが最後の見せ場である。戦いが終わった戦士(写真46)2人がキーラのビーチに上がってくる。そして、キーラから再び入水ポイントまで長い長い距離を歩いてもどって行く。果てしない戦いが続く。

ビーチや遊歩道で出会ったサーファー達は一様に誇らしげである。こんなに荒れ狂う海を制覇する彼らはただ者ではない。彼らはヒーローか?それともクレイジーか?

 
     
C ゴールドコーストのおすすめ観光スポット
 

【Q1オブザベーションデッキ】

ゴールドコースト観光の一番手は「Q1オブザベーションデッキ」であろう。「Q1リゾート&スパ」(写真47)は2005年新築の超高層コンドミニアムで、地上80階建て、居住用ビルとしては世界一を誇るという。参考までに、47階のコンドミニアムが約1.75億円〜で売り出されていた。あなたは買いますか?

Q1はサーファーズパラダイスの南のはずれにあり中心街から歩いて行ける。まずは、入場料約1700円を払って、専用の高速エレベーターで一気に77階の展望デッキ(写真48)まで上がる。内装は極めてシンプルだが、大きなガラス窓からゴールドコーストの大パノラマが広がる。まるでヘリコプターに乗って上空からゴールドコーストを眺めたよう……。必見の価値あり。

では、カラー写真を添えてゴールドコーストの素晴らしい眺めを紹介しよう。
1.展望デッキより北の方向(写真49)を望む。ゴールドコーストの海岸線の美しさと高層ビル群に目を見張る。
2.展望デッキより北西(写真50)の方向を望む。ネラング川の河口に運河が縦横に張り巡らされ、高級住宅街が果てしなく広がる。
3.展望デッキより西(写真51)の方向を望む。ネラング川より西側は綺麗に区画された低層階住宅が広がる。都市計画が見事。
4.展望デッキより南(写真52)の方向を望む。ブロードビーチ、バーレイヘッズ、パームビーチ、カランビン、クーランガッタ、美しいビーチが果てしなく続く。
5.展望デッキより北の下方(写真53)を望む。写真中央3棟並立したビルの左端が我々の宿泊ホテル「コートヤード」。写真に収まっている範囲がサーファーズパラダイスの中心部。
6.展望デッキより西の下方(写真54)を望む。運河に面した家は専用のハーバーとプール付きの豪邸。自分のクルーザーに乗ってショッピングセンターまで買い物に出かける人もいるという。私とは住む世界が違う。

ところが、ある本に、運河に面した約250坪の土地付き3LDKの一戸建を50万ドル(当時約3400万円)で建てた日本人の話が載っていた。ただし、場所はサーファーズパラダイスではなく、時期も7〜8年前で、為替も1オーストラリアドル=68円の時代。今からでは、「時、既に遅し」。

展望デッキ内にはカフェがあり、ゆっくりティータイムがとれる。アルコール類、ソフトドリンク類、ケーキ類、等あり、ゴールドコーストの大展望を満喫した後の休憩にいい。我々も興奮が冷めてからカフェで一休みした。カフェの横に階段があり、78階に上がると展望レストランがある。残念ながら通常は閉まっており、日曜日の朝のみ朝食ビュッフェをやっている。

【ドリームワールド】

ゴールドコーストには様々なテーマパークがある。その1つ「ドリームワールド」に行ってみた。ドリームワールド入り口をくぐるとメインストリートエリア(写真55)になり、大きな池の周囲にカラフルな建物とヤシの木が植えられている。遊び心が自然に盛り上がってくる。

まず、ゴールドラッシュカントリーエリアに入る。当時のショップや遊技場が再現されており、タイムスリップした感じが味わえる。サンダーリバー急流下り(写真56)が楽しい。人気のライドなので長い列に並ばなければならない。しかし、待っている間にビデオによるラフティングの映像が楽しめる。水びたしになるが「ロッキーホロウ」(写真57)もおもしろい。丸太をくくり抜いたような船で川を下る。特に最後の急下降はスリルがある。

ドリームワールド1番人気のアトラクションがタイガーアイランドのショーであろう。恐そうなタイガーも飼育係の手にかかると猫のように可愛くなる。エサを求めて、一瞬のうちに木登りするタイガー(写真58)や大きくジャンプするタイガーなど、飼育係の説明(英語)は分からなくても見ているだけで楽しい。オーストラリア・ワイルドライフ・エクスペリエンスではコアラを抱っこして記念撮影(有料)ができる。

ドリームワールドには恐怖を体験できるマシンが色々ある。私は遠慮しておいたが、まずは、「ジャイアントドロップ」(写真59)。超高層から自由落下する。重力の加速度を肌で体験できる。同じ鉄塔に超スピードで駆け上り、後ろから駆け下りる「タワー・オブ・テラー」もある。絶叫マシン「ザ・クロウ」(写真60)は時速64kmで回転しながら360度スピンするという。足がぶらぶらしていて、いつも絶叫が聞こえてくる。見るのはおもしろいが私は絶対乗らない。絶叫マシン「ワイプアウト」(写真61)(サーフィンの転覆の意味)。巨大な波に飲み込まれたサーファーが体験する水中の恐怖を味わう仕掛けらしい。ゴールドコーストらしいマシーンである。

サーフィンのパイプラインの写真が撮れる場所(写真62)があるので、そこで記念写真を撮って絶叫マシンは遠慮しておく。強烈な水流が下から吹き上げ、その上をボディーボードで乗る「フローライダー」(写真63)(有料:5ドル)もある。ギャラリーも多く、初心者には無理のような気がする。ドリームワールドは家族で1日中遊べるテーマパークである。

【パシフィックフェア】

サーファーズパラダイスからサーフサイドバスに10分も乗れば巨大なショピングセンター「パシフィックフェア」に着く。パシフィックフェア内には高級デパート、大型スーパー、大型ショップ、ブランドショップ、映画館等何でもある。

買い物にあまり興味のない人でも「ジ・アーケード」(写真64)内にある巨大なフードコート(写真65)はおすすめである。世界各国の料理が美味しそうに盛りつけされており、各店の料理と値段を見て回るだけでも楽しい。全てテイクアウト形式で中央のテーブルに持ってきて食べる。我々もお昼頃にフードコートに行き、各自好きな料理を調達してテーブルに持ってきた。中華料理の大皿(写真66)は、1皿に料理を盛れるだけ盛りつけて約1000円。サラダ盛り合わせとフルーツ盛り合わせは各400円程度。大きなチキンバーガーの揚げたてのチキンとポテトがうまい。約1000円。それにしても値段が高い。オーストラリアの物価はもっと安かったのでは?

 
     
D ゴールドコーストで円安(斜陽化する日本)を考える
 

10年くらい前、私はオーストラリアに2回旅行した。1回目はシドニー、2回目はケアンズで、オーストラリアの洗練された都市や大自然の素晴らしさに魅了された。さらに滞在中、街の色々なフードコートやレストランをはしごして食事を楽しんだのであるが、肉類とシーフードの「おいしさ」と「安さ」に驚いた。日本からそれ程遠くなく、時差(東海岸)もわずか1時間なので、退職後のロングステイ先として誠にうってつけの場所だと思った。

しかし、今回はゴールドコーストの物価上昇に驚いた。街のテイクアウトショップでコーヒーと小さめのサンドイッチを買うだけで約1000円。小綺麗な中華レストラン(夕食)の海鮮ラーメンが約2000円、ステーキを注文すれば約3000円〜。大ざっぱな印象として昔(10年前)に較べて、物価が2倍になったような気がした。ゴールドコーストという世界的な観光地としてのプレミアムを考えても物価上昇が激しい。一体どうしたことか?

以下、私の分析である。(私は研究者ではないので、あくまで概算)
1.消費者物価指数(インフレ率)
私は、日本とオーストラリアのインフレ率をネットで調べ、1996年を基準に2006年までの10年間の累積インフレ率を計算してみた。その結果、10年間で日本は1%ダウン、オーストラリアは32%アップ、よって、両国のインフレ率の差は約33%であった。
2.為替レート
我々日本人が海外旅行をする時、為替の影響を大きく受ける。1997年の為替レートは1オーストラリアドルが約80円程度だったのが、2007年末では100円前後になった。25%程度上昇している。

以上より、インフレ(1.33倍)と為替(1.25倍)を掛け合わせれば、1.66倍となり、日本から見たオーストラリアの10年間の物価上昇率が1.7倍程度になっていることが分かる。大都市や観光地であれば2倍になっても不思議ではない。

ここで、もう少し為替レートを分析してみる。

インフレ率の高い国の通貨は預金金利が高い。ニュージーランドドルやオーストラリアドルは高金利で日本人の外貨・外債投資先として人気が高い。しかし、インフレ率が高いということは、その通貨の価値がインフレ分だけ下がるということで、為替レートで見れば、その国の通貨安になるはずである。一方、日本は物価上昇がゼロ(またはマイナス)のためほとんどゼロ金利。しかし、インフレ率がゼロの分だけ日本円の価値は下がらない。為替レートで見れば、インフレがない分だけ円高になるはずである。ただし、この議論は両国の経済力が一定であるという前提にたつ。

以上より、日本とオーストラリアの10年間のインフレを考慮すると、日本円はオーストラリアドルに対して33%高くならなければならない。1997年のレートを1ドル80円で計算すると1ドル54円程度になる。10年前の1ドル80円と、現在の1ドル80円では意味が違う。為替レートの値を固定的に考えると真実を見失う。よって、1ドル100円近い現在のレートは、「2倍」も日本円が安くなっているのである。しかし、これは日本の経済力の低下(オーストラリア経済力の上昇)を示しているのかもしれない。

私は昨年(2007年)の春にタイのプーケットに、夏にスペインに旅行したが、何れも物価が高いのに驚いた。逆に言えば、日本円の海外での購買力が急速に衰えてきていることを実感した。長い間、日本人は日本のデフレ経済とゼロ金利に慣れてしまったが、海外ではその間にインフレが進行し、物価が高くなっている。そのインフレ分だけ円高になっていれば問題はないわけであるが、現在の為替レート(特に米ドル以外の通貨に対して)は相当円安である。

かつて、強い円を持って海外(特にアジア、オセアニア、ヨーロッパ)に出かけ、上質なサービスを「格安」にエンジョイしてきた私としては「海外旅行」を見直さなければならない状況が現れてきている。

各国の経済力の指標である1人あたりのGDP(国内総生産)を見てみると、急速に斜陽化する日本経済の姿が分かる。2000年の日本の1人あたりのGDPは3.8万ドル(米ドル、以下同様)で、堂々の世界第2位(1位はルクセンブルク)であった。ところが、2006年には3.4万ドルと減少し、何と19位に転落してしまっている。14位のカナダ(3.8万ドル)、16位のオーストラリア(3.7万ドル)に抜かされ、後ろにはイタリア(20位、3.1万ドル)スペイン(23位、2.8万ドル)と続く。このランキングは為替の影響大ではあるが、たった6年間で、日本は先進国の最下位グループに転落してしまった。貧乏な国の国民は気楽に海外旅行できない。急激な発展をしているアジア諸国を見ると、10年後の日本は途上国の仲間入りをすることになるのでは?

 
     
E 一般情報
 
    サーファーズパラダイス中心部にあるホテル(徒歩圏内)

◎ コートヤード・バイ・マリオット・サーファーズパラダイス・リゾート
http://www.marriott.com
City→Gold Coast、Country→Australia を入力して検索
◎ ホリデイ・イン・サーファーズパラダイス
http://www.ichotelsgroup.com  (日本語)
国→オーストラリア を入力して検索
旅行先→ゴールドコースト を入力して検索
◎ ゴールドコースト・インターナショナル
http://www.gci.com.au
◎ サーファーズパラダイス・マリオットリゾート
http://www.marriott.com
City→Gold Coast、Country→Australia を入力して検索


   サーファーズパラダイス中心部にあるコンドミニアム(徒歩圏内)

◎ Q1リゾート&スパ
http://www.q1.com.au/home.html
◎ クラウンタワーズ・リゾート
http://www.crowntowersresort.com.au
◎ モロッカンリゾート
http://www.moroccan.com.au


   サーファーズパラダイス近郊の豪華ホテル(バス移動)

◎ パラッツオ・ヴェルサーチ
http://www.palazzoversace.com.au
◎ シェラトンミラージュ・リゾート&スパ
http://www.sheraton.com/goldcoast (日本語)
◎ コンラッド・ジュピターズ・ゴールドコースト
http://www.conrad.com.au


                                        (2008年1月 掲載)