バルセロナからバレンシアへの途中、世界遺産でもあるタラゴナのラス・ファレラス水道橋(写真13)を見学する。高さ26m、全長217m。紀元2世紀、ローマ時代に建てられたとは思えないほどしっかりしている。この巨大な建築物は「水」を通す橋である。スペインの赤茶けた不毛の大地ばかり見ていると、水がいかに貴重かが分かる。スペインの車は埃りまるけのまま、普通に走っている。日本人がよくやる洗車などという発想は出てこないのであろう。
タラゴナから地中海に面した海岸線を200kmほど南下してバレンシアに到着。宿泊ホテルは「ウサ・マス・カマレナ」(写真14)という工業団地内のビジネス風4星ホテルである。豪華さはないが機能的な綺麗なホテルで、朝食ビュッフも美味しかったので不満はない。
翌朝(8/27)スペイン第3の都市バレンシアの市内観光に出かける。まずは市の中心、レイナ広場(写真15)。アウトドアのカフェもあり、カテドラルを眺めながらコーヒーが飲める。時間があればここでのんびりしたいところだが、ツアーは忙しい。すぐに、バレンシアのカテドラルに入場する。13世紀半ばに建設がスタートし14世紀末に完成した大聖堂。こんなに巨大な大天井(写真16)を14世紀にどうやって造ったのかと、疑問に思いつつ、その大きさと美しさに感動する。
カテドラル見学の後、15世紀末に絹の商品取引所として建てられた世界遺産「ラ・ロンハ」まで歩いていくが、月曜休館ため入場できなかった。そのかわり少し自由時間ができたので中央市場付近のカフェ・バーで生絞りの「バレンシア・オレンジ」(2.5ユーロ)を飲む。オレンジ3個からコップ1杯のオレンジジュースが目の前で出来上がる。本場で味わう本物のジュース。とろけるような甘さがあり実にうまい。これぞ旅の醍醐味!
バレンシアのレストランでの昼食メニューは、生ハムとサラミソーセージを盛り合わせた前菜と大鍋(約30人分)で作られたシーフードパエリア(うさぎの肉入り:写真17)だった。スペイン料理として名声を博しているパエリアはここバレンシア地方で生まれた料理である。本場で本物を食す。しかし、本場のパエリアは塩辛くてまずかった。半分以上残す。期待はずれ!
昼食後、ツアー一行はグラナダに向けて南下する。時々、地中海の美しい海岸を見ながらバスはひたすら走る。グラナダまで400〜500kmもあるので結構疲れる。
グラナダの宿泊ホテル「アバデス・ネバダ・パレス」(写真18)に到着。円形の白壁が美しいロビーが出迎え、いい雰囲気のホテルだったので、バスによる長旅の疲れも忘れる。ホテルのレストランで遅い夕食をとる。広いレストランであるが、我々の他にも日本人の団体客が夕食をとっていた。日本人御用達のホテルのようである。このホテルは昨年(2006年)できた新築の4星ホテルで大型のコンベンションが可能になっている。屋外プールもあり、リゾートホテルの雰囲気もする。ホテルの周囲にはスペイン風のお洒落なコンドミニアムが沢山ある。
夕食を短時間(1時間)で済ませ、急いでフラメンコショー(写真19)を見に行く。狭い会場は既に満員。ステージと客との距離が近く、一体感がある。ドリンク1杯つき、90分間のショーがはじまった。いきなり過激で情熱的なフラメンコの踊りに驚く。しかし、30分もすると、私は過激なショーに疲れてきた。バスの長旅の後のフラメンコは中高年にはきつい。ショーの後半は眠りはじめる。
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